山岳トンネルの省エネ制御システム
「TUNNEL EYE」
Tunnel Eye

「TUNNEL EYE(トンネルアイ)」の特長

山岳トンネル工事では、施工機械や換気設備など、多くの電気機器が使用されます。そのためいかに電気の使用を効率化し、省エネルギー化による環境負荷低減を図るかが重要な課題となっています。
当社が開発したエネルギーマネジメントシステム「TUNNEL EYE(トンネルアイ)」は、トンネル内にIoTのネットワークを構築して、坑内の人や車両の動きや空気中の粉じん量などの作業環境を常時監視し、換気ファン等の設備の運転を自動で最適化し、省エネを実現するシステムです。

TUNNEL EYEの概要

TUNNEL EYEは、株式会社 イー・アイ・ソルと株式会社 流機エンジニアリングとの共同開発品です。

「TUNNEL EYE(トンネルアイ)」の
仕組み

一般的に山岳トンネル工事では、施工機械や照明、換気ファンなど多くの電気機器を用いるため、工事の規模によっては工場や商業施設に匹敵する量の電力を使用する場合があり、エネルギー消費を削減する余地が多くありました。
IoT技術を活用したエネルギーマネジメントシステム「TUNNEL EYE」は、トンネル内に設置された各種センサーが、坑内の作業員の位置情報や空気中の粉じん量などの環境データ、施工機械の電流値などの情報をリアルタイムで収集します。これらのデータをインターネット経由で遠隔地のサーバーで分析し、換気設備の運転量を自動で最適に制御します。換気が必要な場所はしっかり換気し、それほど換気が必要ない場所は運転量を抑制することで、省エネルギー化を実現しています。
また本システムでは、作業員と工事車両の位置や粉じん量・ガス濃度などの作業環境、施工機械の電力使用量をリアルタイムで可視化し、これらの情報をデジタルサイネージで表示することで、関係者全員がトンネル内の状況を即座に把握できる環境を整えています。収集された情報はインターネットを通じて坑内はもちろん事務所や支社店のパソコン、タブレット端末等により可視化されます。また、安全を確保するための警報通知も付与し、安全管理の向上と施工管理の効率化を図っています。

TUNNEL EYEによる作業環境の可視化

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    電気機器稼働・入坑・作業環境情報

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    入坑者・工事車両の位置情報

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    作業工程判断による自動制御の一部(例)

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    電気機器稼働・入坑・作業環境情報

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    入坑者・工事車両の位置情報

「TUNNEL EYE(トンネルアイ)」の
適用事例

本現場では、TUNNEL EYEにより自動判別した作業工程や入坑者情報をデジタルサイネージに表示することで、トンネル内での作業状況を坑外からも確認できるようにして、安全性の向上を図りました。また、換気設備の自動制御により、計画電力量に対して平均23.8%の消費電力量の削減を達成しました。

工事概要

工事名
令和2年度 153号新伊勢神トンネル工事
発注者
国土交通省 中部地方整備局
工事場所
愛知県豊田市
実施内容
1. 入坑管理(入坑者・工事車両)
2. 作業環境管理
3. 省エネ制御(換気ファン・集塵機)
4. 作業環境改善(伸縮ダクトの自動制御)
5. 作業工程のサイネージ表示
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坑口に設置したデジタルサイネージ

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    集塵機

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    換気ファン

現場での消費電力量

当社は技術開発を通じて、建設現場の安全性向上と環境負荷低減を目指しています。今後も、脱炭素社会の実現に向けて、先進的な取り組みを続けてまいります。

TUNNEL EYEの概要
現場での消費電力量